地球化学:深部マントルのネオンに保存された地球集積時に捕獲された星雲ガス
Nature 565, 7737 doi: 10.1038/s41586-018-0771-1
星雲ガスが惑星内部に捕獲された証拠は、惑星形成モデルに重要な制約条件を課すと思われる。そのような制約条件には、集積の時間スケール、熱的進化、揮発物質組成、惑星の酸化還元状態がある。さらに、惑星内部での星雲ガスの保持は、地球型惑星の形成とその後の進化に伴う脱ガスと揮発性物質の損失のダイナミクスにも制約を与える。しかし、地球内部に保持されたそのようなガスの証拠はいまだ議論の的となっている。2つの始原的ネオン同位体の比、20Ne/22Neは、地球の揮発性物質を供給した可能性がある3つの源、すなわち星雲ガス、太陽風にさらされた物質、CIコンドライトで著しく異なっている。従って、20Ne/22Ne比は、地球内部の揮発性物質の供給源を評価する強力な手段になる。今回我々は、マントルプリューム深部のネオン同位体測定を提示し、20Ne/22Ne比が最大13.03 ± 0.04(2標準偏差)であることを明らかにする。この比は、太陽風にさらされた物質とCIコンドライトの値よりも明らかに高いので、マントル深部に星雲ガスのネオンが存在している必要がある。さらに、始原的プリュームマントルの20Ne/22Ne比は、13.23 ± 0.22(2標準偏差)と決定された。この値は星雲ガスの比と区別できないので、星雲ガス貯蔵庫が現在のマントル深部に保存されていることを示すしっかりとした証拠となる。星雲ガスの獲得には、惑星胚が、原始惑星円盤が散逸する前に十分大きな質量に成長する必要がある。また、今回の観測結果は、深部マントルプリュームと大洋中央海嶺玄武岩の間で20Ne/22Ne比が明確に異なっていることも示しており、これは、地球集積の主要段階で浅部マントルにコンドライト成分が付加され、その後、海水由来のネオンがプレートテクトニクス過程によって循環したことで最もよく説明される。

