電子デバイス:エネルギー効率の高いスケーラブルな電気磁気的スピン–軌道論理
Nature 565, 7737 doi: 10.1038/s41586-018-0770-2
1980年代前半以降、電子デバイスの大半は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)トランジスターの使用に依存してきた。しかし、CMOSの動作原理は、絶縁ゲートで半導体のコンダクタンスを制御することによってスイッチングできるというものであり、トランジスターが10 nmのサイズまで微細化しているにもかかわらず、ほとんど変わっていない。我々は、CMOSを超える寸法的にスケーラブルな論理技術でどのようなものが、フォン・ノイマン・アーキテクチャーについて効率と性能を改善でき、人工知能などの新たに登場してきたコンピューティング技術の成長を可能にするかを検討した。そうしたコンピューティング技術には、微細化を進められること、スイッチングエネルギーが削減されること、デバイス相互接続が改善されること、論理ファミリーとメモリーファミリーの全てが提供されることが必要である。今回我々は、スピン–軌道変換(電子の角運動量と線形運動量の結合)と電気磁気的スイッチングを組み合わせることによって動作する、スケーラブルなスピントロニクス論理デバイスを提案する。このデバイスは、先進的な量子物質、特に相関酸化物とトポロジカル物質状態を用いて、集団的なスイッチングと検出を行っている。我々は、今回のデバイスは、電気磁気的スイッチングとスピン軌道状態検出の進歩について説明し、CMOS技術と比較してスイッチングエネルギーが優れ(10分の1~30分の1)、スイッチング電圧が低く(5分の1)、論理密度が高い(5倍)ことを示す。加えて、このデバイスは不揮発性なので、現代のコンピューティングに不可欠な非常に低い待機電力を可能にする。このデバイスのこうした特性は、今回提案した技術で多世代コンピューティングを開発できる可能性があることを示している。

