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腫瘍免疫学:腫瘍におけるADAR1の欠損は免疫チェックポイント阻害に対する抵抗性を抑える

Nature 565, 7737 doi: 10.1038/s41586-018-0768-9

ほとんどのがん患者は、免疫チェックポイント阻害に応答しないか、それに対する抵抗性を生じるかのどちらかであり、その原因は抗原提示を障害する変異の獲得であることが多い。今回我々は、腫瘍細胞でのRNA編集酵素ADAR1の機能喪失が、免疫療法に対する腫瘍の感受性を大幅に高め、チェックポイント阻害に対する抵抗性を抑えることを示す。ADAR1欠損下では、インターフェロンが誘導するRNA分子種におけるAからIへの編集が減少して、PKRとMDA5による二本鎖RNAリガンドの感知につながり、その結果、PKRとMDA5はそれぞれ増殖抑制と腫瘍炎症を引き起こす。ADAR1を欠損させると、腫瘍細胞による抗原提示の不活性化によって引き起こされるPD-1チェックポイント阻害に対する抵抗性が抑えられる。従って、効果的な抗腫瘍免疫は、自然免疫リガンドの感知を制限するADAR1のような抑制的チェックポイントにより抑えられている。インターフェロンに対する感受性を持たせた腫瘍で十分な炎症を誘導すれば、CD8+ T細胞によるがん細胞の認識という治療上の必要条件を迂回でき、免疫療法抵抗性を抑える一般的な戦略になり得る。

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