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構造生物学:基質と結合したヒト26Sプロテアソームのクライオ電子顕微鏡構造と動態
Nature 565, 7737 doi: 10.1038/s41586-018-0736-4
プロテアソームはATPに依存して機能する2.5メガダルトンの分子機械で、真核細胞での選択的なタンパク質分解を受け持っている。今回我々は、基質と結合したヒトプロテアソームについて、ポリユビキチン化されたタンパク質を分解する過程で捉えられた7つのコンホメーションの分解能2.8〜3.6 Åでのクライオ(極低温)電子顕微鏡構造を示す。これらの構造は、ユビキチンの認識から基質の移動までの基質–プロテアソーム間相互作用の時間空間的連続状態を明らかにしている。この過程で、ATP加水分解は6つのATPアーゼの全てで連続的に進行する。協働的に起こるATP加水分解の主な方式は3つあり、向かい合った2つのATPアーゼ中で起こる加水分解、隣り合った2つのATPアーゼ中での加水分解、それに1回に1個のATPアーゼ中で起こる加水分解をそれぞれ特徴としている。これらの加水分解方式はそれぞれ、基質の脱ユビキチン化、移動の開始、そして基質の構造の連続的な解きほぐしを調節している。各ATPアーゼ中では、ATP加水分解のエネルギーを使ってヒンジ様の動きが起こり、これが基質との相互作用を調節している。3つの隣接するATPアーゼでのATP結合、ADPの解離とATP加水分解が同時進行することで、基質を結合したATPアーゼの剛体回転が進み、これがATPアーゼのリング中を一方向的に伝播して基質の構造が解きほぐされていく。

