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気候科学:南極の融解水に起因する将来の気候の変化

Nature 564, 7734 doi: 10.1038/s41586-018-0712-z

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)において検討された温室効果ガスの代表的濃度経路のうち最も高濃度のシナリオ(RCP8.5)の条件下では、南極氷床からの融解水の影響で2100年までに海水準が最大1 m上昇すると予測されている。しかし、南極大陸の氷床や棚氷からの融解水の影響は、広く使用されているCMIP5気候モデルに含まれておらず、IPCCの気候予測に偏りが生じている。今回我々は、RCP8.5で予測される南極氷床の融解水を考慮したCMIP5モデル「GFDL ESM2M」の大規模なアンサンブルシミュレーションを評価した。その結果、融解水を考慮すると、RCP8.5の標準シナリオと比較して、全球平均気温上昇の目標値である1.5°Cと2°Cを超える時期が10年以上遅延し、南半球の乾燥が強まって北半球の乾燥が弱まり、南極の海氷の形成が増大し(最近観測された南極の海氷面積の増大と一致する)、南極沿岸の周辺の海洋亜表層が温暖化することが見いだされた。さらに、融解水に起因する海洋亜表層の温暖化は、正のフィードバック機構を通して氷床と棚氷のさらなる融解をもたらす可能性があり、将来気候のシミュレーションに融解水の影響を含めることの重要性を浮き彫りにしている。

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