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進化学:集団生活の開始時における適応度利益と分業の出現

Nature 560, 7720 doi: 10.1038/s41586-018-0422-6

集団生活の開始時に得られる最初の適応度利益は、社会性の進化における最大の障壁であると考えられており、進化論では、これらの利益は非常に小さな集団サイズで生じる必要があると予測されている。こうした利益は、一部には、集団サイズが大きくなるにつれて効率が上がるというスケーリング効果から生じると考えられている。社会性昆虫や他のタクソンでは、集団生活の利益は分業に起因すると提案されてきた。分業は、役割の遂行における個体間の多様性および個体内の一貫性(特化)で特徴付けられる。しかし、社会性が出現した際の集団は、おそらく小さく、補完的というよりむしろ冗長である可能性のある機能を持つ類似した個体からなっていたと考えられる。自己組織化の理論からは、分業は比較的小さく単純な集団からも出現可能なことが示唆されている。しかし、集団サイズが分業や適応度に及ぼす影響についての実験的データは、いまだ明確ではない。今回我々は、クローンアリのコロニーにおいて自動化された行動追跡を長期にわたって行い、数理モデル化と組み合わせることで、社会性集団のサイズの増大が、6個体程度の小さな集団であっても、極めて類似したワーカーの間に分業を生じさせ得ることを示す。行動に及ぼすこうした初期効果は、コロニーの安定した状態を維持する恒常性および1個体当たりの適応度の大幅な向上と関連していた。我々のモデルは、恒常性の向上が、主に集団サイズ自体の増大によって、そして程度はより小さいものの分業の増加によっても引き起こされることを示唆している。今回の結果は、小さく均一な社会性集団において、分業、恒常性の向上、適応度の向上が自然に生じる得ること、従って、集団サイズの増大に関連したスケーリング効果が集団生活の初期段階において社会的一体性を促進できることを示している。

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