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生物物理学:トランスSNARE複合体の動態と数が新しく生じた融合細孔の特性を決定する

Nature 554, 7691 doi: 10.1038/nature25481

融合細孔はエキソサイトーシスの際に形成される最初の重要な中間体だが、この一過的な構造のサイズや速度論的特性が決定される機序はほとんど解明されていない。今回我々は、ニューロン内の反応に使えるSNARE(小胞融合に関わるタンパク質)の数を減少させて、神経伝達物質放出の際の変化、すなわち融合細孔に生じる変更を示すと思われる変化を観察した。こうした変化を調べるために、我々はナノディスクを用いて細孔を当初の開口状態で捕捉する再構築融合アッセイ系を使用した。光学的測定により、SNARE複合体の数が増えると1個の細孔からの放出速度が高まり、より大きな積み荷の放出が可能になることが分かった。この影響ができたばかりの融合細孔のサイズ変化によるものなのか、それとも安定性の変化によるのかを明らかにするため、ナノディスクと平面脂質二重層の電気生理学的性質を用いる方法を開発して、単一の放出事象レベルでマイクロ秒の分解能が得られるようにした。細孔のサイズと安定性は共に、SNAREのコピー数によって影響された。ナノディスク当たりのv(vesicle)-SNAREの数を3個から5個に増やすと、細孔のサイズが2倍になり、細孔の閉鎖速度は1000分の1以下に低下した。また、v-SNAREとt(target)-SNAREの対合によるトランスSNARE複合体の形成は非常に動的で変化しやすく、安定して開いていない新しい細孔はv-SNARE断片を加えるとすぐに閉じ、エキソサイトーシスのこの段階では、完全に組み立てられた安定なSNARE複合体はまだ形成されていないことが分かった。さらに、ボツリヌス神経毒素Aの作用を模倣してSNARE複合体の基部を欠失させると、融合細孔の安定性が著しく低下した。まとめると、トランスSNARE複合体は動的構造であって、融合を推進するために動員されるSNAREの数が、個々の細孔の基本的特性を決定するのである。

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