Letter
物性物理学:ベーテ・ストリングの実験的観測
Nature 554, 7691 doi: 10.1038/nature25466
約100年前、一次元量子磁性体にストリング状態(磁気励起の複雑な束縛状態)が存在すると予測された。しかし、多くの理論的研究が行われたにもかかわらず、凝縮物質系におけるストリング状態の実験的実現と特定はまだ達成されていない。今回我々は、高分解能テラヘルツ分光法を用いて、強い縦磁場下において反強磁性ハイゼンベルグ–イジング鎖SrCo2V2O8中のストリング状態を解明した。その結果、磁場誘起量子臨界領域において、ベーテ仮説によって正確に記述されるストリングと分数磁気励起が見いだされた。ストリング励起は、量子臨界に近く、量子スピンダイナミクスを支配している。一方、低エネルギーで支配的な分数励起は、反強磁性量子ゆらぎを反映している。現在では、ベーテの結果は量子磁性分野だけでなく、低温原子の研究やストリング理論を含むより広範な領域において重要である。従って、今回の結果は、複雑多体系全般の研究に光を当てると予想される。

