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がん:進化経路とKRASの遺伝子量が膵臓がんの表現型を決定する

Nature 554, 7690 doi: 10.1038/nature25459

膵管腺がん(PDAC)は変異の状況と表現型との相関が低いため、その病因や転移の解明が限られている。今回我々は、がん遺伝子の量の変動が、PDACの生物学的特性と表現型の多様性に決定的な役割を持つことを示す。ヒトPDACの前駆細胞では変異型KRASの遺伝子量が増加していて、その結果、初期の腫瘍発生と転移が促進されており、これによってPDACの初期播種が説明できることが分かった。PDACは間質に富んでいるため遺伝子量研究が制約されているが、我々はそれを克服するため、マウスの転移性PDACの大規模細胞培養リソースを開発した。細胞培養のゲノムとトランスクリプトームおよび腫瘍表現型を、機能研究やヒトのデータと統合することで、がん遺伝子量の変動が、細胞の形態や可塑性、組織病理、臨床転帰に対してさらに広範囲に影響していることが明らかになり、最も高いKrasMUTレベルが悪性度の高い未分化表現型を引き起こしていた。また、別のがん遺伝子(Myc、Yap1、Nfkb2)の増幅も見つかり、これらはヘテロ接合のKrasMUTと協調して腫瘍発生の促進に働くが、転移能は低かった。機構としては、異なるがん遺伝子の増幅や遺伝子量は、それぞれ異なる進化経路に沿って進化し、規定された対立遺伝子の状態および/または特徴的な腫瘍抑制因子(Cdkn2a、Trp53、Tgfβ経路)の変化の組み合わせにより可能になる。従って、進化的制約と偶発性が、規定された経路に沿ってがん遺伝子量の増加や変動を方向付け、PDACの初期プログレッションを促し、その下流の生物学的特性を形作っている。我々の研究は、膵臓がんの他の、関連性の考えられるRas誘導性のがん発生の普遍的原理を明らかにしている。

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