Letter
進化学:アフリカでマラリアを媒介するガンビエハマダラカの遺伝的多様性
Nature 552, 7683 doi: 10.1038/nature24995
アフリカでのマラリア対策の持続可能性は、マラリアを伝達するハマダラカ属(Anopheles)の蚊に殺虫剤耐性が生じ、脅かされている。今回我々は、蚊の個体群が進化を続ける仕組みをより深く理解するために、アフリカ全土に及ぶ15か所で採取したガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)およびAnopheles coluzziiの765試料のゲノムの塩基配列解読を行い、利用可能なゲノム内にある5000万以上の一塩基多型を明らかにした。これらのデータから、複雑な集団構造と遺伝子流動のパターンが、太古の個体数拡大、最近のボトルネック、有効個体群サイズの局所的な差異の証拠と共に明らかになった。複数の殺虫剤耐性遺伝子に最近の選択の強力な証拠が観察され、地理的に大きく離れた範囲にわたり、また種をまたいで、複数の選択的一掃が見いだされた。遺伝子ドライブ系を用いた蚊駆除対策のための新しいツールの設計には、天然の蚊個体群の遺伝的多様性レベルの高さを考慮に入れる必要があるだろう。

