天文学:重力波が検出された中性子星合体後のキロノバからの可視光放射
Nature 551, 7678 doi: 10.1038/nature24291
2つの中性子星の合体は、合体で合成された中性子過剰な元素種の放射性崩壊によって駆動され数日間続く、「キロノバ」と呼ばれる可視光–赤外線トランジェント天体を形成すると予想されている。中性子星の合体ではまた、継続時間の短いγ線バーストが生じることを示す証拠も増えている。そのような合体のモデルでは、電子の割合が低い少量の物質(太陽質量の10−4~10−2倍)が高速(光速の0.1~0.3倍)で放出されたり、合体で新たに生じたこの天体の周辺に形成された降着円盤からの風によって運び去られたりする。この物質は、速い中性子捕獲(r過程)の元素合成を経て、放射性元素を生成し、それらが崩壊するにつれてエネルギーを放出して電磁波のトランジェント天体を駆動すると予想されている。新しく合成される物質の組成はかなり不確かなため、そのようなトランジェント天体に予測される色、継続時間、光度は多様になる。キロノバを観測したとする証拠は、γ線バーストの残光中に確認された中程度に過剰な放射の事例に基づいていたため、これまで確定的ではなかった。本論文では、連星系中性子星の合体による重力波の特性の検出および低光度で継続時間の短いγ線バーストと同時に生じたトランジェント天体の、可視光から近赤外光での観測について報告する。重力波をトリガーとして、その後数日間にわたって約8時間ごとに得られた我々の観測から、急速な可視光の減光と赤化を伴う初期の青色超過が明らかになった。我々は、数値モデルを用いて、今回のデータは、ランタノイドの乏しい放出物(質量比で10−4.5)に対応した、太陽質量の数百分の1の不透明度の低い物質による光度曲線におおよそ一致していると結論付ける。

