Letter
進化学:カナダ・ラブラドルの39億5000万年前の堆積岩から発見された初期の生命の痕跡
Nature 549, 7673 doi: 10.1038/nature24019
原始生代の岩石に含まれる生命の痕跡は、生命の起源を解明する可能性を秘めている。しかし、多くの地域での証拠の収集は常に可能とは限らず、生物起源のグラファイトは、これまでのところ38~37億年前のイスア表成岩帯から発見されているだけである。本論文では、ラブラドル北部の最古の変堆積岩について、全有機炭素量と、グラファイトおよび炭酸塩の炭素同位体比(それぞれδ13Corgおよびδ13Ccarb)を示す。一部の泥質岩ではδ13Corg値が−28.2‰と低く、より年代の新しい岩石における最低値と同程度であった。グラファイトの結晶化温度と母岩の変成温度とは一致しており、グラファイトが後の年代の混入に由来するものではないことが確認された。δ13Corg値と変成度との間には明確な相関が見られ、これはδ13Corg値の多様性が変成作用に起因すること、また、変成前の値がその最低値を下回っていたことを示している。我々は、δ13Ccarb値とδ13Corg値との25‰にも上る大きな分別が、39億5000万年以上前の最古の生物を示す証拠であると結論する。今回の生物起源グラファイトの発見は、生物起源物質そのものの地球化学的研究を可能にするとともに、地球上の初期生命のみならず他の惑星の生命についても洞察をももたらすと考えられる。

