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天文学:降着を受けている大質量ブラックホールの近傍の環境は輻射フィードバックによって形成される

Nature 549, 7673 doi: 10.1038/nature23906

宇宙で降着を受けている超大質量ブラックホールの大半は、大量のガスと塵によって隠されている。こうした遮蔽物質の位置と進化は、過去数十年に及ぶ精力的な研究対象であり、いまだ議論が続いている。電磁スペクトルの研究によって、中心核を取り囲む物質の被覆率は降着率の増加に伴って減少することが明らかになっている。この傾向の起源は、入射光度の増大に伴う塵の昇華に起因する遮蔽物質の内縁半径の増大、ブラックホールの重力ポテンシャル、輻射のフィードバック、あるいはアウトフローとインフローの間の相互作用によって生じている可能性がある。しかし、ガスの柱密度、光度、質量についての信頼性の高い情報を備えた、降着を受けているブラックホールの大規模で偏りのない完全なサンプルがないことから、遮蔽を制御する主要な物理的機構はよく分かっていない。今回我々は、硬X線で選択されたブラックホールの系統的な多波長探査を行い、塵に富んだガスへの輻射フィードバックが、中心核を取り囲む物質の分布を調整する主要な物理的機構であることが明らかになったことを報告する。この結果は、遮蔽している塵とガスの大部分は、降着を受けている超大質量ブラックホールの影響が及ぶ圏内である数パーセクから数十パーセク内に位置しており、低い輻射率でも一掃される可能性があることを示唆している。従って、降着を受けているブラックホールが隠されているか隠されていないかを決定する物理的な主要因は、ブラックホールの質量で規格化された降着率である。

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