Letter
天文学:畳み込みニューラルネットワークを用いた強力な重力レンズの高速な自動解析法
Nature 548, 7669 doi: 10.1038/nature23463
遠方の光源までの間に介在する構造の重力によって光が屈折するためにその光源の像が複数形成されるという、強力な重力レンズ効果による画像のゆがみを定量化し、こうした構造(「重力レンズ」)に対応する物質分布を推測することは、主に観測結果の最尤推定モデルを用いて行われてきた。この手順は一般に多大な時間と計算資源を消費し、滑降型最適化アルゴリズム(downhill optimizer)を用いた計算コストが高いプロセスにおいて、レンズ効果の精巧なコードと複数のデータ準備ステップが必要で、さらに最尤推定モデルのパラメーターを見つける必要がある。1つの重力レンズ効果の精密解析に最大で数週間かかる可能性があり、関連する物理過程と手法の専門的な知識が求められる。次世代に地上からの探査や宇宙空間での探査で発見される新たな重力レンズは、数万例に上ると予想されている。本論文では、極めて高速で自動化された方法で重力レンズ効果のパラメーターを推測するために深層畳み込みニューラルネットワークを用いると、最尤推定モデルが直面する難題を回避できることを報告する。また、多重フィルター撮像データを独立成分分析すると、レンズ効果の光の除去を高速化・自動化できることも示す。今回のネットワークは、強力な重力レンズ系のモデル化に一般に用いられる「特異等温楕円体」密度分布のパラメーターを、精巧なモデルの不確かさに匹敵する精度で復元でき、その速さは約1000万倍であった。すなわち、1個のGPU上で約1秒に100例の系を復元できる。こうしたネットワークによって、非専門家が大規模なデータについて重力レンズ効果パラメーターを見積もる方法が得られる。

