Letter

生物地球化学:クライオジェニアンの海洋における藻類の繁栄と動物の出現

Nature 548, 7669 doi: 10.1038/nature23457

海洋の主要な一次生産者が細菌から真核生物へと移行したことは、地球史において最も重大な生態学的革命の1つであり、炭素や栄養素の水柱での分布を再構成するとともに、より高次の栄養段階へのエネルギーの流れを増加させた。しかし、この移行の原因および地質学的年代、そして大気中酸素レベルの上昇や動物の進化との間に考えられる関連性については、まだよく分かっていない。今回我々は、クライオジェニアン(7億2000万~6億3500万年前)以前の海洋では細菌が唯一注目に値する一次生産者であったことを明らかにする、真核生物ステロイドの分子化石記録を提示する。ステロイドの多様性および存在量の増加は、スターティアンおよびマリノアンという2つの「スノーボールアース」氷期に挟まれた短い期間(6億5900万~6億4500万年前)に、海洋のプランクトン藻類(古色素体類)が急増したことを示している。我々は、シアノバクテリアの一次生産者としての地位は、スターティアン氷期の終わりの退氷で大量に供給された栄養素によって失われたと提唱する。この「藻類の繁栄」は、栄養素およびエネルギーの移動がより効率的な食物網を作り出し、生物の大型化および複雑化に向けて生態系を動かしたと考えられる。こうした影響は、海綿動物および捕食性リザリア類のバイオマーカーの同時出現や、続くエディアカラ紀の真正後生動物の放散に記録されている。

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