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微生物学:ウシでの免疫によりHIVに対する広域中和抗体を急速に誘導する

Nature 548, 7665 doi: 10.1038/nature23301

これまでにヒトや動物モデルでは、HIVに対する広域中和抗体を確実に誘導できる免疫原は見つかっていなかった。HIVエンベロープの糖タンパク質(Env)の抗原性を模倣した免疫原の設計の進歩により(可溶性三量体切断物BG505 SOSIPなど)、ウサギ、マカクザルで単離ウイルス特異的な強力な抗体応答がうまく誘導できるようになっているが、広域中和抗体の誘導にはこれまで成功していない。この失敗の考えられる原因の1つは、抗体レパートリーがEnvのよく保存されたエピトープ領域を標的とするのに適していないことである。露出している可変エピトープに比べると、この保存されたエピトープ領域はやや被覆されているのである。この仮説を検証するため、今回我々は、4頭のウシをBG505 SOSIPで免疫した。ウシの抗体レパートリーには長いHCDR3(third heavy chain complementary determining region)があり、非常に長いものでは70アミノ酸以上になることもある。注目すべきことに、BG505 SOSIPでの免疫は、4頭のウシ全てで広域作用性の強力な血清抗体応答を急速に誘導した。1頭のウシに対して行った長期的な血清分析では、42日後には中和範囲(20%、複数クレードからの単離株n = 117)が生じ、381日後には96%の中和範囲(n = 117)の抗体応答が観察された。このウシから単離したモノクローナル抗体には、60アミノ酸からなる非常に長いHCDR3があり、0.028 μg ml−1という強力なIC50の中央値で、複数クレードからの単離株(n = 117)の72%を中和した。この広域性は1種類の三量体免疫原により誘導され、それ以外の多様なエンベロープは必要としなかった。ウシの免疫を利用することで、ヒトの抗体応答を逃れるよう進化した病原体に対抗できる抗体予防薬や抗体治療薬を、短期間で作り出す道が開けるかもしれない。

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