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神経科学:成体マウスにおけるミュラーグリアからの機能的な神経再生の促進

Nature 548, 7665 doi: 10.1038/nature23283

多くの網膜疾患は網膜ニューロンの喪失につながり、視力障害を引き起こす。哺乳類成体の網膜には再生能がほとんどない。対照的に、硬骨魚類の網膜は損傷後に機能的に再生し、再生されたニューロンの起源はミュラーグリア(MG)である。ゼブラフィッシュの前神経転写因子Ascl1は網膜損傷後にMGで発現上昇しており、再生に必要である。Ascl1は哺乳類MGでは損傷後に発現しないが、マウスMGにAscl1を強制発現させると、in vitroおよびNMDA(N-D-アスパラギン酸)による損傷後の若齢マウスにおいてin vivoで、神経発生状態が誘導される。しかし、マウスMGは、Ascl1を過剰発現させても、生後16日までには神経発生能を喪失する。成熟MGでの神経発生能の喪失は、クロマチン接近可能性の低下を伴うことから、エピジェネティックな要因が再生を制限していると考えられる。今回我々は、Ascl1のMG特異的な過剰発現とともにヒストンデアセチラーゼ阻害剤を用いると、成体マウスは網膜損傷後にMGからニューロンを作り出すことができようになることを示す。このMG由来ニューロンは、内側の網膜ニューロンのマーカーを発現していて、宿主の網膜ニューロンとシナプスを形成し、光に応答する。ATAC–seq(assay for transposase-accessible chromatin with high-throughput sequencing)法を用いることで、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤が、MGで主要な遺伝子座での接近可能性を促進して、より効果的な再プログラム化を可能にすることが分かった。従って、我々の結果は失明につながる網膜疾患の治療のための新しい手法を提供している。

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