代謝:フルクトース 1,6-ビスリン酸とアルドラーゼはAMPKによるグルコース感知に関わっている
Nature 548, 7665 doi: 10.1038/nature23275
ほとんどの細胞で主要なエネルギー源はグルコースであり、ATPはグルコースから解糖や酸化的代謝によって産生される。グルコースが枯渇するとAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)が活性化されるが、この活性化が典型的なAMPK活性化因子であるAMPやADPのレベルの変化だけによって起こるのかどうかは明らかになっていなかった。本論文では、フルクトース 1,6-ビスリン酸(FBP)の欠乏を感知することによりAMPK活性化を引き起こす、AMP/ADPとは無関係な機構について報告する。この機構では、AMPKが細胞外グルコースと細胞内FBPの減少に伴って漸進的に活性化される。FBPが結合していないアルドラーゼは、少なくともv-ATPアーゼ、リソソーム膜アダプター複合体(ragulator)、アキシン、LKB1(liver kinase B1)、AMPKを含んだリソソーム複合体の形成を促進することが分かった。これらの因子は、AMPKの活性化に必要なことがこれまでに示されている。アルドラーゼをノックダウンすると、グルコースが豊富な細胞でもAMPKが活性化される。一方、触媒活性に異常のあるアルドラーゼ変異体D34Sは、FBPに結合はするが、AMPKの活性化を阻害する。無細胞再構築アッセイにより、FBPの添加によってアキシンやLKB1のv-ATPアーゼやragulatorとの結合が起こらなくなることが明らかになった。一部の細胞では、急性グルコース飢餓の際にもAMP/ATP比やADP/ATP比は変化せず、またAMPK活性化にAMPKの完全なAMP結合部位が必要とされないことは重要である。これらの知見は、アルドラーゼは、解糖系の酵素であるのに加えて、グルコースの入手可能性のセンサーとしても働いて、AMPKを調節することを実証している。

