Letter
天文学:成層圏を伴う超高温の系外巨大ガス惑星
Nature 548, 7665 doi: 10.1038/nature23266
惑星から放射される赤外線は、その惑星大気の化学組成や鉛直方向の気温分布についての情報を含んでいる。もし上層大気が下層大気よりも低温であれば、分子ガスによって惑星の熱スペクトルに吸収線の特徴が生じる。反対に、高度とともに気温が上昇する成層圏が存在すれば、こうした分子の特徴は輝線として観測される。照射を強く受けている系外惑星で成層圏が形成されている可能性が示唆されているが、成層圏がどの程度形成されるのかは理論的にも観測的にも明らかになっていない。成層圏が存在するというこれまでの主張は、大きく変動する親星と計測のスペクトル分解能の低さを克服しなければならないため、未解決のままであった。本論文では、平衡温度が約2500 Kという超高温の巨大ガス惑星WASP-121bの近赤外熱スペクトルについて報告する。水が輝線として確認され、系外惑星の成層圏が5σの信頼水準で検出された。こうした観測結果から、おそらく気体の酸化バナジウムや酸化チタンなどの放射を吸収する化学種によって、入射する星の放射のかなりの割合が高高度の大気に保持されていると考えられる。

