Letter

量子物理学:半導体量子ドットアレイを用いたフェルミハバードモデルの量子シミュレーション

Nature 548, 7665 doi: 10.1038/nature23022

格子上のフェルミオンが相互作用すると、強い量子相関が生じ、多くのエキゾチックな物質相が古典的な方法では扱いにくくなる。現在の取り組みは、基礎となるフェルミハバードモデルをエミュレートできる人工的な量子系の制御に向けられている。静電的に閉じ込められた伝導帯電子では、相互作用する量子コヒーレントなスピンと電荷の自由度が定まり、低エントロピー状態の全電気的な初期化が可能になり、容易にフェルミハバードハミルトニアンに従う。しかし、固体状態の静電的不規則性がかなり大きいため、固体プラットフォームでフェルミハバード物理をエミュレートした試みはこれまでのところわずか数例しかない。今回我々は、ゲート制御型量子ドットでは、この不規則性を制御された方法で抑制できることを示す。我々は、半自動化したスケーラブルな一連の実験ツールを用いて、半導体量子ドットアレイに電子を均一かつ独立に充填し、最近接トンネル結合を調節して、フェルミハバード系をシミュレートした。この実験セットアップを用いることで、相互作用によって生じるモット金属絶縁体転移に類似した有限サイズでの転移である、集団的クーロン閉塞転移の詳細な特性評価が実現された。半導体量子ドットの自動化とデバイス製造は継続的に改善されているので、今回提示したアイデアによって、より複雑な多体状態の物理を量子ドットを用いて調べることができるようになる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度