Letter
微生物学:栄養感知がマラリア寄生虫の毒力を調節する
Nature 547, 7662 doi: 10.1038/nature23009
マラリア寄生虫などの細胞内病原体の生活様式は、宿主の生活様式と密接に結び付いており、それは主に栄養供給のためである。栄養は、主要なエネルギー源としてだけでなく、細胞が環境条件変化を感知して適応することを可能にするさまざまなシグナル伝達ネットワークを介して、遺伝子発現、代謝および増殖の調節因子としての役割も果たしている。古典的な栄養感知経路は、マラリアの病原体であるマラリア原虫(Plasmodium)には存在しないと推定されており、そのため、これらの寄生虫は宿主の栄養レベルの変動を感知して対処できるのか、という疑問が生じている。今回我々は、血液段階のマラリア原虫が、トランスクリプトームの再構成を介して宿主の食餌によるカロリー変化に能動的に応答し、これに伴って増殖速度の大規模な調節が起きることを示す。化学的および遺伝学的な手法と組み合わせたキノーム解析から、KINが、栄養の感知を仲介したり、宿主の栄養状態に対する転写応答を制御したりするのに極めて重要な調節因子であることが突き止められた。KINはSNF1/AMPKαと相同性を有し、酵母での相補的研究からは、KINが機能的に保存された細胞エネルギー感知経路の一部であることが示唆されている。総合するとこれらの知見は、寄生虫が持つ、増殖や毒力の調節に不可欠な、主要な栄養感知機構を明らかにしている。

