Article

気候科学:気候変動が南極の露岩生息地の拡大を進行させる

Nature 547, 7661 doi: 10.1038/nature22996

南極における陸上の生物多様性は、南極大陸の1%にも満たない露岩地域にほぼ限定されている。気候変動は露岩地域の範囲および配置を変化させると考えられるが、こうした影響の分布や規模については明らかにされていない。今回我々は、気温を指標とする融解モデリングを用いて、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の2通りの気候強制シナリオの下で、21世紀の気候変動が露岩地域に与える影響を定量化した。強制力が最大のシナリオでは、今世紀末までに露岩地域が1万7000 km2以上拡大する可能性があり、これは25%に近い増加率に相当する。こうした拡大の大半は南極半島で生じ、そこでの露岩地域の面積は現在の3倍に拡大することから、生物多様性を担う生息地の利用可能性および接続性が劇的に変化する可能性がある。隔離されていた露岩地域は融合することになり、それが生物多様性に及ぼす影響は不確かではあるものの、我々は、こうした変化が最終的には地域スケールで生物相の均質化、競争力の低い種の絶滅、そして侵入種の蔓延につながる可能性があると考える。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度