Article

生物物理学:β2AR–Gタンパク質活性化におけるリガンドの有効性の一分子解析

Nature 547, 7661 doi: 10.1038/nature22354

Gタンパク質共役受容体(GPCR)を介したシグナル伝達は、ヒトの生理や疾患の治療介入に重要だが、リガンドに依存するシグナル伝達応答の分子機構はほとんど解明されていない。クラスAのGPCRでは、受容体の活性化とGタンパク質との連結が、膜貫通ヘリックス6(TM6)の外向きの動きを引き起こす。今回我々は、一分子蛍光共鳴エネルギー移動画像化法を用いて、β2アドレナリン受容体(β2AR)が活性化の有効性の異なるオルソステリックリガンドと共存する際のTM6の動きを、Gsヘテロ三量体の存在する場合と存在しない場合について調べた。部分アゴニストと完全アゴニストではTM6の動きに対する影響に違いがあり、それがGDP結合型β2AR–Gs複合体の形成速度や、Gs活性化につながるヌクレオチド変換効率を調節していることが分かった。またこれらのデータからは、既知の構造とは異なる、一過性のヌクレオチド結合型β2AR–Gs分子種の存在が明らかになり、リガンド結合ポケットとヌクレオチド結合ポケットとのアロステリックな結び付きについて一分子レベルでの知見が得られた。これはGタンパク質活性化機構に対する新たな見方をもたらすものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度