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構造生物学:低温電子顕微鏡像アンサンブルによって明らかになった翻訳忠実度維持機構
Nature 546, 7656 doi: 10.1038/nature22397
遺伝子の翻訳はmRNAの暗号の正確な解読に依存しているが、どのような構造による機構が使われているのかはほとんど解明されていない。リボソームによるmRNAコドンの読み取りは、伸長因子Tu(EF-Tu)が運んでくるアミノアシルtRNAでコドンに正しく適合するものを選ぶことによっている。今回我々は、EF-Tuによって運ばれた正しいアミノアシルtRNA、あるいは正しいものに似たアミノアシルtRNAと結合したリボソームの構造の高分解能アンサンブルを示す。正しいtRNAアンチコドンとそれに似たtRNAアンチコドンはどちらも、開いた30SサブユニットのアミノアシルtRNA結合部位(A部位)を探っているが、不活性なEF-Tuは50Sサブユニットからは離れている。コドン解読中心のヌクレオチドG530が一時的にとるコンホメーションによって、正しいコドン–アンチコドンヘリックスは安定化され、これによってコドン解読中心の段階的な「ラッチのような」動作が始まる。その結果、30Sサブユニットが閉じて、EF-Tuが50Sサブユニットのサルシン–リシンループに接触し、EF-Tuが活性化されてGTP加水分解が起こり、アミノアシルtRNAがリボソームへ取り込まれる。これに対して、正しいtRNAに似たtRNAとの複合体はG530によるラッチ機構を開始できず、不活性なEF-Tuが結合した開いた30Sの取り込み前中間体が支配的になる。この研究により、長く解明が待たれていた正しいtRNAとそれに似たtRNAの取り込み前複合体の構造の違いが明らかになり、正確なコドン解読の仕組みが解明された。

