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免疫学:リンパ管内皮のS1PはナイーブT細胞のミトコンドリア機能と生存を促進する

Nature 546, 7656 doi: 10.1038/nature22352

効果的な適応免疫応答には、全身を遊走してほぼ全ての外来ペプチドを速やかに見つけ出すナイーブT細胞の大きなレパートリーが必要である。T細胞の産生は年齢とともに低下するため、ナイーブT細胞は長寿命である必要がある。しかし、ナイーブT細胞が常時移動していながら何年にもわたって生存する仕組みは明らかになっていない。化学誘引物質であるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)は、T細胞が抗原を探索する場である脾臓、リンパ節およびパイエル板などの二次リンパ器官の間でのT細胞循環を誘導する。S1Pの濃度はリンパ器官内よりも循環液中でより高く、S1P1受容体(S1P1R)は、脾臓から血液へ、またリンパ節やパイエル板からリンパ液へのT細胞の脱出を誘導する。今回我々は、S1PがナイーブT細胞の循環だけではなく、その生存にも必要であることを示す。我々はトランスジェニックマウスモデルを用い、リンパ管内皮細胞がトランスポーターSPNS2を介するS1P分泌によってT細胞の生存を助けており、このS1PがT細胞上のS1P1Rを介してシグナル伝達を行うこと、またここでのS1P1Rの必要性は、リンパ節からの脱出誘導というこの受容体のすでに確証されている役割とは無関係であることを明らかにした。S1Pシグナル伝達は、ナイーブT細胞のミトコンドリア含量を維持して、絶え間ない遊走を続けるためのエネルギーを細胞に供給する。このS1Pシグナル伝達経路は、自己反応性T細胞の移動を阻害するための治療で標的とされており、今回の知見は、このような場合に自己反応性もしくは悪性細胞の生存も同時に標的とできる可能性を示唆している。

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