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神経科学:ショウジョウバエが回頭角を積算する神経回路構成
Nature 546, 7656 doi: 10.1038/nature22343
多くの動物は、環境内をナビゲートする間、継続的に頭の向きを追跡し続けている。しかしいずれの動物種においても、頭の向きを計算する神経回路構成を実験的に示した例はない。今回我々は、ショウジョウバエ(Drosophila)の中枢複合体内に、時計回りと反時計回りの回頭移動を司るニューロン群を見いだした。その結線と生理的性質は、回頭角度をハエの角速度に基づいて見積もる手段を提供している。それぞれの種類の移動ニューロンには、2つのサブタイプがあり、時空間的な活動プロファイルから、拘束歩行で頭の向きを変える開始時と終了時に各サブタイプが異なる役割を持つことが示唆される。移動ニューロンは、暗黒中のハエの頭の方向を正しく追跡する回頭システムに必要で、これらのニューロンを刺激すると、回頭信号に予測可能な移動が誘導される。この生物計算回路の重要な特徴は、齧歯類で提唱されている頭方向細胞の演算モデルと相同であり、これによって神経系が一般的に積算を行う仕組みを説明できる可能性がある。

