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免疫学:高アビディティーIgAは増殖中の細菌をつないで腸を守る

Nature 544, 7651 doi: 10.1038/nature22058

ワクチンによって誘導される高アビディティーIgAは病原性因子を直接中和することにより、あるいは、充分に明らかにされていない機構ではあるが、細菌と腸組織との相互作用を物理的に阻害する、いわゆる「免疫排除」によって、細菌性腸病原体から体を保護できる。IgAによる架橋形成により、腸管内腔で細菌塊が形成され、これが非チフス性ネズミチフス菌(Salmonella enterica subspecies enterica serovar Typhimurium:S. Typhimurium)感染に対する防御に大変重要である。しかし、この過程を促進すると考えられていた古典的な凝集反応が効率よく誘導されるのは、病原体が高密度(非運動性細菌が1 g当たり108個以上)の場合のみである。通常の感染時には、急速に分裂している細菌が、それよりもはるかに低い密度(1 g当たり100~107コロニー形成単位)で腸管内腔に存在している。本論文では、古典的な凝集反応とは異なるある物理的な過程がin vivoで細菌塊の形成を誘導することを示す。すなわち、IgAによる架橋形成が娘細胞を鎖状につないで分裂後に離れていくのを阻止し、従って、増殖に依存して細菌塊が形成されていくのである。この鎖状につながる増殖は、あらゆる現実的な病原体密度で有効であり、腸管内腔からの病原体除去を促進する。さらに、IgAはプラスミド供与クローンやプラスミド受容クローンを別々の細菌塊へつなぎ、in vivoでプラスミドの接合伝達を阻害する。従って、鎖状につながる増殖は、IgAが、高い病原体密度や炎症、殺菌を必要とすることなく、侵襲性を持つ可能性のある細菌を無力化して腸管内腔から除去できる1つの機構である。さらに、我々の結果は、抗菌剤耐性の広がりを防ぐために、これまで使われていなかった経口ワクチンが利用できる可能性を示している。

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