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神経科学:LTP中にはシナプス後部のシナプトタグミンがAMPA受容体のエキソサイト―シスを仲介する
Nature 544, 7650 doi: 10.1038/nature21720
NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体依存的な長期増強(LTP)によるシナプス結合の強化は、神経回路を形成して、学習および記憶を仲介する。NMDA受容体依存的なLTPの誘導時には、Ca2+流入がシナプスのAMPA(α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソオキサゾールプロピオン酸)受容体の増員を導き、これによってシナプスが強化される。しかし、Ca2+がどのようにしてAMPA受容体の増員を導くかは分かっていない。今回我々は、マウス海馬CA1領域の錐体ニューロンで、シナプトタグミン1(Syt1)とシナプトタグミン7(Syt7)の、どちらか一方ではなく両方の発現を抑えると、LTPが起きなくなることを示す。野生型のSyt7を発現させるとLTPは復活するが、Ca2+を結合しない変異型Syt7の発現では復活しない。Syt1とSyt7のシナプス後部での発現を止めても、基礎的なシナプス伝達は損なわれず、シナプスのAMPA受容体とシナプス外のAMPA受容体のレベルが低下したり、他のAMPA受容体の輸送現象が変化したりすることはない。また、シナプス前部でCa2+依存性の小胞エキソサイトーシスを阻害するドミナントネガティブな変異型Syt1を発現させると、シナプス後部でのCa2+依存性のAMPA受容体のエキソサイトーシスも阻害され、LTPが起きなくなる。これらの結果から、LTP中には、シナプス後部のSyt1とSyt7が、AMPA受容体のCa2+依存性のエキソサイトーシスの重複的なCa2+センサーとして働くことが示唆され、AMPA受容体の増員によりLTPが仲介されるという単純な機構が明らかになった。

