環境科学:国家規模の陸域の持続可能性への道筋を見いだす
Nature 544, 7649 doi: 10.1038/nature21694
国連の2030アジェンダに基づく17の持続可能な開発目標(SDG)と169のターゲットは、国家間の合意を得るのに十分一般的なレベルで詳細に作成された、地球規模で持続可能性を実現するための首尾一貫した野心的な計画である。しかし、この地球規模のアジェンダの実現は、国家規模での実施を成功させられるかどうかに大きく依存しており、特定の国家の状況に合わせて調整され、強い国家統治に支えられた科学主導の効果的なターゲットを設定する必要がある。本論文では、オーストラリアの陸域について、複数のSDGターゲットの国家規模での実現可能性を評価する。我々は、ターゲットを3つの目標レベルと2つの時間枠に分け、次に、統合的な土地利用トレードオフ(LUTO)陸域システムモデルを用いて、環境的・社会経済的・技術的・政治的に将来起こり得る648の経路において、ターゲットの達成に対して採り得る選択を定量的に調べた。我々は、ターゲットの達成は、地球規模の排出量削減の取り組み、国内の土地利用政策、生産性の成長率、土地利用変化に対する適応行動と容量制約に強く影響を受けることを示す。ターゲットの設定が低いほど、達成率は高くなるが、持続可能性の実現性が低くなるという結果が得られた。2030年以降の土地利用ダイナミクスを加速させると、2050年までに達成されるターゲットが変化し、より長期的な視野でより柔軟に持続可能性を実現する方策を実施できようになる。持続可能性のターゲットの実現は複雑で、資源に制約された土地システムのトレードオフが広がっているため、複数のターゲットが同時に実現されることはまれである。厳しい選択が必要であることを考えると、陸域で特定の政策を通して最初に取り組まなければならないのは、持続可能性に関する基本的な食料/繊維の生産、生物多様性、土地の劣化の要素である。また、共通便益に投資することで、排出量の削減や、水、エネルギーのターゲットに寄与できる可能性もある。しかし、陸域に関わるターゲットを実現するには、クリーンエネルギー、食料システム、水資源管理などの他の分野からのかなりの寄与も必要になる。各国は、社会、経済、環境にまたがる効率的かつ効果的な、持続可能性を実現する介入を優先させる国家のターゲット設定を支援するため、地球規模で調整された包括的かつ統合的な複数の分野にまたがる国家規模の解析を行う必要がある。

