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生理学:一価不飽和脂肪酸がH3K4me3修飾因子と線虫の寿命を結び付ける

Nature 544, 7649 doi: 10.1038/nature21686

クロマチンの状態と代謝の状態は、いずれも寿命に影響を及ぼすが、寿命の調節においてそれらがどのように相互作用するのかは、よく分かっていない。ヒストンH3のリシン4をトリメチル化(H3K4me3)するCOMPASSクロマチン複合体は、線虫の一種Caenorhabditis elegansの寿命を調節する。しかし、H3K4me3修飾因子が寿命に影響を及ぼす機構や、この機構に代謝変化が関わっているのかどうかは、まだ明らかになっていない。本研究で我々は、線虫では、寿命を延長させるH3K4me3メチルトランスフェラーゼの欠損が脂質の蓄積を促進し、一価不飽和脂肪酸(MUFA)の特異的な上昇が見られることを示す。H3K4me3メチルトランスフェラーゼが欠損した線虫で見られるこの脂質代謝の切り替えは、少なくとも部分的には、S6キナーゼなどの生殖系列標的の発現低下と、デルタ9脂肪酸デサチュラーゼを発現上昇する腸の転写ネットワークの活性化により仲介される。特に、MUFAの蓄積は、H3K4me3メチルトランスフェラーゼ欠損線虫の寿命延長に必要であり、寿命の延長には食餌中のMUFAだけで十分であったことは重要である。脂質代謝が保存されていることを考えると、食餌中や内因性のMUFAは哺乳類などの他の種でも、個体寿命や健康寿命を延長させる可能性がある。

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