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生化学:トルエンと結合した二鉄ヒドロキシラーゼの結晶中での反応サイクル

Nature 544, 7649 doi: 10.1038/nature21681

芳香族求電子置換反応は、有機化学の変換反応の中で最も重要で、また識別しやすい反応の1つである。酵素は、O2、電子、金属などの補因子を用いて、高いエネルギーを必要とする反応を可能にするための強力な求電子種を作る。芳香族求電子置換反応を行う酸化物質の本体が何かは多様な手法を用いて推測されてきたが、その構造の決定は難問となっている。今回我々は、トルエンとの反応中に形成される二鉄ヒドロキシラーゼ中間体の構造を示す。活性部位モデルの密度汎関数理論を使った構造最適化によって、この中間体は、非局在化したアリールラジカル性を持つアリールペルオキソFe2+/Fe3+であることが分かった。この構造から、二鉄中心のカルボン酸リガンドが、金属の結合した水分子からプロトンを移動させることによってO–O結合のホモリティック開裂を引き起こす可能性が考えられる。この研究は、二鉄酵素によるアレーン(芳香族炭化水素)水酸化の包括的機構を提案するのに必要な空間的および電子的制約を明らかにしたもので、こうした機構はこれまでの多くの実験結果を説明できると考えられる。

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