Letter

天文学:銀河アウトフロー内の星形成

Nature 544, 7649 doi: 10.1038/nature21677

最近の観測からは、星形成に必要とされる物理条件(高いガス密度)を持つ可能性がある、銀河の大質量の分子アウトフローが明らかになっている。実際、最近のいくつかのモデルでは、こうした大質量のアウトフローが、アウトフロー自体の内部で星形成を引き起こす可能性があると予測されている。動径速度の大きな星形成モードは、銀河の形態的な進化や、銀河の楕円成分のサイズと速度分散の進化に寄与している可能性があり、銀河から脱出すらできる可能性がある高速星の種族にも寄与すると思われる。そうした星形成によって、銀河を取り巻く物質や銀河間物質が、大きな軌道上にある若い恒星の超新星爆発を通してin situで化学濃縮される可能性があり、いくつかのモデルでは、これが遠方の銀河で観測された星形成率にかなり寄与しているとも予測されている。ガスの圧縮の結果として、ホスト銀河へ流入するアウトフローやジェットによって引き起こされる星形成の観測証拠は存在するが、銀河内のアウトフロー内部で生じている星形成の証拠はまだ見つかっていない。本論文では、赤方偏移0.0448に位置する銀河アウトフローで生じている星形成を明確に示す分光観測結果を報告する。アウトフロー内の推測される星形成率は、1年当たり太陽質量の15倍より大きい。星形成は他の銀河アウトフローでも生じている可能性があるが、適切な分析が行われていないために、これまでの観測で見逃されていた可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度