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物性物理学:表面上の原子ワイヤーにおける量子限界の光励起構造転移

Nature 544, 7649 doi: 10.1038/nature21432

固体における原子のポテンシャルエネルギー地形の過渡制御は、新しい物質状態や、格子振動の時間スケールでの核運動の量子制御につながる可能性がある。最近開発された超高速時間分解回折法は、超高速の時間的操作と、原子スケールの空間分解能およびフェムト秒の時間分解能を兼ね備えている。こうした進歩によって、数百フェムト秒という短い時間スケールで起こることの多いバルク固体の光誘起構造変化の研究が可能になった。これに対して、表面での実験やグラフェンなどの単一原子層の上での実験では、数桁長い時間スケールでの構造変化が報告されている。これにより、フェムト秒レーザー励起に対する低次元物質の構造的応答は一般的に制限されるのかどうかという疑問が生じる。今回我々は、シリコン(Si)表面に支持されたインジウム(In)原子ワイヤーにおける対称性の低い状態から高い状態への電荷密度波の光誘起転移が、350フェムト秒以内に起こることを示す。光励起によってIn–In結合の切断と形成が起こり、ソフトフォノンモードの非熱的励起が生じる。また、シリコン表面の対称性の破れによって生じる表面フォノンと界面フォノンのマニフォールドとこうしたソフトフォノンモードの結合を通して、臨界減衰核運動の限界における構造転移が駆動される。今回の知見は、丁寧に調節された電子励起によって、量子限界(すなわち、核運動が方向性を持ち決定論的である領域)における界面の構造ダイナミクスを駆動する非平衡ポテンシャルエネルギー面を形成できることを実証している。この手法を用いれば、光励起に対する固体の動的応答を調節できる可能性があり、例えば超高速検出器などに幅広く応用できるかもしれない。

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