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生体力学:巧みな翅の回転と後縁渦が蚊の高周波数の飛翔を可能にしている

Nature 544, 7648 doi: 10.1038/nature21727

蚊の翅の運動学的特性は独特である。その細長い翅は、体サイズの割に極めて高い周波数(> 800 Hz)で羽ばたき、ストロークの振幅は他のどの昆虫群と比較しても小さい。このため蚊の自重の支持は、多くの昆虫がヘリコプターおよび飛行機と同様に用いている並進運動主体の空気力学的機構から、各半ストロークの終わりでのピッチング時に生じるほとんど未解明の回転運動機構へと移行することになる。本論文では、自由飛翔中の蚊の翅の運動学的特性を示し、重合格子を用いた数値流体力学を使って完全ナビエ・ストークス方程式を解くとともに、これらの結果をin vivoでの流れ計測により実証する。蚊は、通常の剥離した流れパターンを用いているにもかかわらず、自重を支持する空気力学的な力の大部分が、飛翔動物に関してこれまで報告されているいかなるものとも異なる様式で発生していることが明らかになった。重要な特徴は3つある。それは、前縁渦(昆虫の飛翔にほぼ普遍的と見られるよく知られた機構)、ストロークの切り返し時に一種の後流捕獲によって生じる後縁渦、および回転抗力である。後縁渦および回転抗力の2つは新たな要素であり、これらは翅の速度とはほとんど無関係である一方、各半ストロークの終わりでのピッチ角(翅の回転)の高速変化に依存しているため、小さい羽ばたき振幅による影響を比較的受けにくい。さらに、こうした機構は、アスペクト比の高い蚊の翅に特に適している。

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