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微生物学:CRISPR–Cas系はウイルスDNAの注入を利用して適応免疫の確立と維持を行う

Nature 544, 7648 doi: 10.1038/nature21719

CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)–Cas系は、侵入者の短いDNA塩基配列を捕捉して、原核生物宿主のCRISPR座位に統合することで、ウイルスやプラスミドの感染に対する防御を行っている。スペーサーとして知られるこれらの配列は、転写されて短鎖CRISPRガイドRNAになり、Casヌクレアーゼによる侵入者ゲノムの切断部位を指定する。ウイルス感染の際に、スペーサー配列がいつ獲得されるのかは分かっていない。今回我々は、これについて調べるために、タイプII CRISPR–Cas系を持つ黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)細胞において、ブドウ球菌のバクテリオファージであるΦ12による感染後のスペーサーの獲得を追跡した。新しいスペーサーは、感染直後に、最初に細胞内に注入されるウイルスの遊離DNA末端であるcos部位から優先的に獲得されることが分かった。変異体ファージを用いた感染後のスペーサー獲得の解析から、ほとんどのスペーサー獲得はDNA注入の際に起こり、DNAの複製やパッケージングなど、遊離DNA末端を生じるウイルス生活環の他の段階では起きないことが明らかになった。また、早期に注入されたゲノム領域から獲得したスペーサーは、感染直後のウイルスDNAに対するCas9による切断を指示し、これが後期に注入された領域から獲得したスペーサーよりも高い免疫応答を発揮させることも分かった。我々の結果は、CRISPR–Cas系が、ファージの生活環を利用して、CRISPRによる免疫応答の成功を確実にするスペーサー獲得パターンを作り出すことを明らかにしている。

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