Article

幹細胞:骨髄前駆細胞クラスターは緊急時と白血病における骨髄造血を担っている

Nature 544, 7648 doi: 10.1038/nature21693

血液産生については多くの側面がよく理解されているが、骨髄中での骨髄細胞分化の空間的組織化についてはまだ解明されていない。本研究で我々は、マウスで画像化技術を用い、緊急時と白血病における骨髄造血の際の、顆粒球/マクロファージ前駆細胞(GMP)の挙動を追跡した。定常状態では、個々のGMPは骨髄全体に散在していた。再生時には、拡大したGMPのパッチが、境界が明確なGMPクラスターを形成するのが観察され、その後、クラスターは局所で顆粒球へ分化した。タイミングの合った、重要な骨髄ニッチシグナル(SCF、IL-1β、G-CSF、TGFβおよびCXCL4)の放出と、Irf8とβカテニンを介した誘導性の前駆細胞自己複製ネットワークの活性化が、再生GMPクラスターの一過的な形成を制御している。白血病では、自己複製ネットワークが持続的に活性化し、通常ならば造血幹細胞の静止状態を復帰させる終止サイトカインがないため、GMPクラスターが絶えず産生されていることが分かった。今回の結果により、これまで認識されていなかったGMPの動的挙動がin situで明らかになり、この動的挙動が、緊急時には骨髄造血を調整しており、白血病では乗っ取られていることが示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度