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幹細胞:オートファジーは若い幹細胞と老化した幹細胞の両方で代謝と機能を維持する
Nature 543, 7644 doi: 10.1038/nature21388
老化の進行に伴って、造血幹細胞は血液系を再生する能力を失い、疾患発症を促進する。オートファジーは健康と長寿命に関連付けられていて、造血幹細胞を代謝ストレスから守る重要な働きをする。本論文では、造血幹細胞でオートファジーが起こらなくなると、ミトコンドリアが蓄積して代謝が活性化し、これが主としてエピジェネティックな脱調節によって骨髄系細胞の分化を加速させて、造血幹細胞の自己複製能と再生能を低下させることを示す。注目すべきことに、老齢マウスの造血細胞のほとんどで、代謝や機能の変化という特徴が共通して見られることが分かった。しかし、老化した造血幹細胞のほぼ3分の1はオートファジーレベルが高く、代謝状態は低く保たれ、若い健常な造血幹細胞に似たロバストな再生能力が長期的に維持されている。我々の結果は、オートファジーは活性を持つ健常なミトコンドリアを除去することで造血幹細胞の代謝を能動的に抑制し、造血幹細胞の休止状態と幹細胞性を維持していることを明らかにしており、また老化した造血幹細胞の再生能力を維持するためにオートファジーの必要性が老化とともに増大していくことを示している。

