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生態学:一夫多妻制の渉禽類の雄による北極圏での繁殖地サンプリング

Nature 541, 7638 doi: 10.1038/nature20813

一夫多妻制の種の多くでは、雄は、繁殖力のある雌の獲得をめぐって争うが、雌に対して精子以外の資源を提供することはなく、子の世話に投資することもない(雄が優位となる一夫多妻制)。こうした配偶システムでは、雌の獲得をめぐる局地的な競争が激しく、実際に交尾できる雄は通常少数で、結果として強い性選択が働く。そのため、雄は複数の繁殖地域をサンプリングすることで、繁殖機会を増加させる機構を得られると考えられる。しかし、こうしたサンプリング行動についてはほとんど知られておらず、雄が競争を行う空間的スケールも分かっていない。今回我々は、渡りをする一夫多妻制の渉禽類アメリカウズラシギ(Calidris melanotos)では、大半の雄が、アラスカ北部の既知の繁殖地に到着した後に、この種の全繁殖域の相当な範囲を移動して(4週間で最大1万3045 km)、さらに最高で23か所に及ぶ繁殖地をサンプリングしていたことを示す。我々のデータは、雄が、越冬地からの渡りにおいて繁殖の最終目的地を持たず、遊動性の移動を行うことを示唆しており、こうした移動はおそらく繁殖の失敗に起因するものではないと考えられる。滞在時間(1つの繁殖地にとどまる時間)はその場所の繁殖可能な雌の数と強く相関していたことから、その地を離れるという決断が局地的な交尾の機会に依存することが示唆された。遊動性の移動によって、雄は単一の繁殖期に複数の繁殖地でディスプレイを行い、子をもうけることができている可能性がある。とするならば、性選択は、局地的な競争や繁殖地間の長距離飛行のために睡眠を減らすことのできる能力に優れた雄に有利に働き、結果として、異なる集団間の交配が制限なく起こり、局地的な適応や種分化の起こらない個体群が生じると考えられる。

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