Article

構造生物学:CLC塩素イオンチャネルの低温電子顕微鏡法によって得られた構造

Nature 541, 7638 doi: 10.1038/nature20812

CLCタンパク質は、塩化物イオン(Cl)を細胞膜を越えて輸送することで、筋肉の興奮性や電解質の上皮を通過する移動、細胞小器官の酸性化を調節している。CLCタンパク質の一部はClを受動的に伝導するチャネルだが、それら以外は1個のH+を2個のClと交換する二次性能動輸送体である。CLCチャネルと輸送体は、配列相同性に基づいて考えれば同じ構造を共有していると予想されるので、これらの異なる輸送機構の構造基盤は不可解である。今回我々は、ウシCLCチャネル(CLC-K)の構造を低温電子顕微鏡法を用いて決定した。Cl輸送経路中の保存されたループの構造は、CLC輸送体のそれとは大きく異なることが明らかになった。そうした違いの結果として、Clの通路の細胞質側の狭窄部がCLC-Kではより広くなっており、そのためにCl/H+輸送体の機能について以前に仮定されていた速度論的障壁がより低くなっていると考えられる。従って、CLCチャネルでは速度論的障壁が低くなることで、電気化学的勾配を下る方向のClの速い流れが可能となるのである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度