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神経発生疾患:自閉症における、lncRNA、スプライシング、および脳領域の遺伝子発現パターンのゲノム規模の変化

Nature 540, 7633 doi: 10.1038/nature20612

自閉症スペクトラム障害(ASD)には遺伝的要因が大きく関わっている。こうした関与は著しく不均一だが、いくつかの共通した経路に収束していて、それらがまだよく理解されていない可能性もある。今回我々は、ASDの分子的な収束について理解を広げるため、我々の知るかぎりこれまでに解析された中で最大のコホートの死後脳試料についてゲノム規模のトランスクリプトーム解析を行い、非コードトランスクリプトーム、選択的スプライシング、および上流の分子調節因子を調べた。解析の結果、ASDに関連して、霊長類特異的な長鎖非コードRNA(lncRNA)の調節異常や、活動依存的でニューロン特異的なエキソンの選択的スプライシングの下方制御、前頭葉と側頭葉の間に通常見られる遺伝子発現の差異の減少が起きていることが明らかになった。我々のデータは、ニューロンの運命決定に関わる転写因子SOX5が、こうした脳領域間の遺伝子発現の差異の減少に関与していることを示唆している。さらに、ASDの遺伝的に定義されたサブタイプである染色体15q11.2-13.1重複症候群(dup15q)が、特発性ASDで観察されるトランスクリプトームの主要なシグネチャーを共有していることが分かった。共発現ネットワーク解析から、ASD患者では、20歳まではミクログリアおよびシナプスの機能の方向性が年齢に関連して変化することが明らかになり、このことはASDの遺伝的リスクが皮質脳領域での遺伝子発現の変化に影響を及ぼす可能性を示している。今回の知見は、複雑な精神神経疾患で、多様な遺伝的かく乱が複数の生物学的レベルで表現型の収束をもたらし得る仕組みを明らかにしている。

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