Letter

水文学:全球の地表水の高分解能マッピングとその長期的な変化

Nature 540, 7633 doi: 10.1038/nature20584

内陸や沿岸域の地表水の位置と持続性は、気候や人間の活動の影響を受けるとともに、気候、生物多様性、人間の幸福に影響を及ぼす。地表水の位置と季節性を記録する全球的なデータセットは、資源調査と国家による記述、地域データの統計的外挿、衛星画像から作成されているが、長期的変化を高分解能で測定することはまだ難しい。本論文では、300万枚のランドサット衛星画像を用いて、過去32年間にわたる全球的な地表水の変化を30 mの分解能で定量化した結果について報告する。我々は、地表水が存在した月と年、地表水の存在が変化した場所、季節性と持続性の観点からどのような形態の変化が生じたかを記録した。1984年から2015年の間に、スペリオル湖の面積にほぼ等しい約9万km2の永続的な地表水が消失しているが、他の場所では18万4000 km2に及ぶ永続的な地表水が新たに形成されている。永続水が正味でわずかに(1%)減少したオセアニアを除く全ての大陸地域が、永続水の正味の増加を示している。気候変動も関与してはいるが、増加の大半は、貯水池への注水によるものである。永続水の減少については増加よりも地理的な集中が見られた。全球の永続水の正味の減少の70%以上が中東と中央アジアで生じており、干ばつと、河川の分流やせき止め、無秩序な取水などの人間の活動に関連していた。さらに、オーストラリアと米国における長期的な干ばつによる減少も明らかである。今回の全球的に一貫した検証済みのデータセットは、気候変動と気候振動が地表水の出現に及ぼす影響を評価でき、証拠を集めて、地表水が人間の活動によってどのように変化するかを明らかにできることを示している。我々は、この自由に利用できるデータによって、地表強制のモデルが改善され、湿地移行帯(バイオーム間の移行地域)の状態と変化の証拠が得られ、水管理政策の決定に情報が与えられると予想する。

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