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物性物理学:人工正方アイスにおける広範囲の縮退、クーロン相、磁気単極子

Nature 540, 7633 doi: 10.1038/nature20155

人工のスピンアイス系は、リソグラフィーによってパターン形成した相互作用する磁気ナノ構造体の配列であり、制御されたやり方で幾何学的フラストレーション効果を調べる方法として導入された。この方法によって新しい物質状態を実空間で直接可視化できるようになり、ナノ磁性、統計熱力学、物性物理学の間にある未知領域の研究のきっかけとなった。正方アイスモデル、すなわち正方格子上で定義される幾何学的にフラストレートした二次元スピンアイス系を、人工的に実現しようとする努力にもかかわらず、ナノ磁性体アレイに基づく簡単な幾何学的配置では、このモデルの巨視的に縮退した基底状態多様体を捉えることに成功していない。むしろ、ナノ磁性体の正方格子の特徴は、カイラリティが交互になった局所ループ配置からなる磁気秩序化した基底状態である。本論文では、垂直方向にわずかな距離だけ離れたナノ磁性体の2つの副格子からなる人工正方アイス系において、正方アイスモデルの特徴の全てが観測されることを示す。我々のアレイを消磁した後に撮像したスピン配置から、クーロン相のはっきりとした特徴と、代数的なスピン–スピン相関が明らかになった。これらは、付随する磁気構造因子に「ピンチ」点が存在することに特徴がある。磁気単極子の古典版である局所励起は、広範囲に縮退し発散のない真空中で自由に発展する。従って、クーロン相や、アイス型の物質の物理を含む集団的磁気現象を調べるのに利用できる可能性があるプロトコルが得られた。

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