Letter
免疫学:SIV感染アカゲザルでのTLR7刺激を併用するAd26/MVA治療用ワクチン接種
Nature 540, 7632 doi: 10.1038/nature20583
HIV-1感染者のウイルスリザーバーを標的にできる免疫学的介入方法の開発は、HIV-1研究の主要な目標の1つである。しかし抗レトロウイルス療法中断後に、ウイルス制御を改善できるだけ十分にウイルスリザーバーを標的とできることを示す証拠はほとんどない。今回我々は、Ad26/MVA[組換えアデノウイルス血清型26(Ad26)初回免疫、改変ワクシニアアンカラ(MVA)ブースト]治療用ワクチン接種とTLR7(Toll様受容体7)刺激の併用が、急性感染の間に抗レトロウイルス療法を開始したSIV感染アカゲザルで、抗レトロウイルス療法中断後にウイルス制御を改善し、ウイルスリバウンドを遅延させることを示す。Ad26/MVAを用いた治療用のワクチン接種は、ウイルスが抑制されているSIV感染サルで、SIV特異的細胞性免疫応答の規模と範囲を著しく拡大した。TLR7アゴニストの投与は、自然免疫の刺激と細胞性免疫の活性化につながった。Ad26/MVAワクチン接種とTLR7刺激の併用は、リンパ節および末梢血中でのウイルスDNAレベルの低下を引き起こし、抗レトロウイルス療法中断後のウイルス制御を改善し、ウイルスリバウンドを遅らせた。細胞性免疫応答の範囲は、ウイルス負荷のセットポイントと逆相関し、ウイルスリバウンドまでの時間と直接相関していた。これらのデータは、自然免疫刺激と組み合わせた治療用ワクチン接種がHIV-1感染の機能的治癒を目指す戦略となる可能性を実証している。

