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宇宙論:赤方偏移2.1に位置する静穏な種族IIの大質量銀河

Nature 540, 7632 doi: 10.1038/nature20570

天の川銀河のような渦巻銀河とは異なり、大質量の楕円銀河内にある星の大半は、宇宙の歴史の初期の短い期間に形成された。この形成期間の長さは、スペクトル中の鉄に対するマグネシウムの存在度の比率([Mg/Fe])を用いて測定できる。この比率は、重力崩壊型超新星とIa型超新星による相対的な濃縮を反映している。局所銀河については、[Mg/Fe]によって、後の時代の合体の間に加わった若く金属の欠乏した星を含む、銀河内に現存する全ての星の形成史が調べられている。そのため、初期の星形成期間を直接絞り込むには、さらに初期の時代の銀河を研究する必要がある。これまで[Mg/Fe]が測定されている最も遠い銀河は、赤方偏移z ≈ 1.4に位置し、[Mg/Fe] = 0.45+0.05−0.19である。24個の静穏な大質量銀河のスペクトルを組み合わせることによって、わずかに古い時代(z ≈ 1.6)が調べられ、[Mg/Fe] = 0.31 ± 0.12が得られている。しかし、これらの研究はどちらも、データの信号対雑音比が比較的低く、指数解析技術を利用しているため、誤差が大き過ぎて信頼できる結論を得ることはできない。主要な星形成時代(z > 2)の直後の存在度のパターンを正確に測定するには、さらに古い時代のより深部のスペクトルと、完全なスペクトルフィッティングに基づく解析技術の組み合わせが必要である。本論文では、宇宙が誕生から30億年を経過した時期であった赤方偏移z = 2.1に位置する静穏な大質量銀河の[Mg/Fe]を測定した結果を報告する。この銀河は、[Mg/Fe] = 0.59 ± 0.11で、これまで見つかった中でMgが最も濃集している大質量銀河であり、同程度の質量を持つ現在の銀河の2倍濃集している。この銀河の元素存在度のパターンは、重力崩壊型超新星のみによる濃集と一致し、天の川銀河内の種族IIの星と同様な特徴である、1億~5億年の星形成の時間スケールとも一致する。この銀河は、過去の平均星形成率が1年当たり太陽質量の600~3000倍であり、宇宙で最も活発な星形成銀河の1つであった。

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