免疫学:RIPK1は発生中にZBP1によるネクロトーシスを抑制する
Nature 540, 7631 doi: 10.1038/nature20559
RIPK1(Receptor-interacting protein kinase 1)は細胞の生存を促進する。RIPK1を欠失したマウスでは周産期致死となり、異常なカスパーゼ8依存的アポトーシスとMLKL(mixed lineage kinase-like)依存的ネクロトーシスが見られる。しかし、触媒不活性型RIPK1を発現するマウスは生存可能であることから、RIPK1の足場にはまだ特徴がよく分かっていない生存促進機能があると考えられている。本研究で我々は、RIPK1のRHIM(RIP homotypic interaction motif)は、RHIMを含むアダプタータンパク質のZBP1(Z-DNA binding protein 1;別名DAI、DLM1)がMLKL上流のRIPK3の活性化を防ぐことを示す。RHIMの重要な残基IQIGをAAAAに改変した変異型RIPK1を発現するRipk1RHIM/RHIMマウスは、出生前後に死亡し、皮膚や胸腺でネクロトーシスの特徴であるRIPK3のトレオニン231とセリン232の自己リン酸化が見られた。触媒不活性型のRIPK3(D161N)、RHIM変異型RIPK3、RIPK3欠失あるいはMLKL欠失によりネクロトーシスを阻害すると、Ripk1RHIM/RHIMマウスの致死が防がれた。ZBP1は特定のウイルスに応答してRIPK3に結合するが、これまでに発生における役割は明らかにされていなかった。Ripk1RHIM/RHIMマウスでこのZBP1を欠失させても、周産期致死が防がれた。RIPK1のRHIMがブレーキの役目を果たしてZBP1がRIPK3 RHIMに結合するのを防ぐことと一致して、ZBP1はRipk1RHIM/RHIMMlkl−/−マクロファージでRIPK3と相互作用するが、野生型やMlkl−/−マクロファージあるいは Ripk1RHIM/RHIMRipk3RHIM/RHIMマクロファージでは相互作用しない。以上の結果を合わせると、RIPK1のRHIMは、発生中にZBP1/RIPK3/MLKL依存的ネクロトーシスを防ぐために非常に重要であることが分かった。

