Letter

量子物理学:原子によるゴーストイメージング

Nature 540, 7631 doi: 10.1038/nature20154

ゴーストイメージングは、最初に量子光学において実現された直観に反する現象で、二次元物体(マスク)の画像を、それとは決して相互作用しない粒子ビームの時空間特性を使って再構成できる。通常は2本の相関光子ビームが使われ、その内の1本がマスクを通って単一ピクセル(バケット)検出器に到達し、もう1本の空間プロファイルが高分解能(マルチピクセル)検出器によって測定される。2本目のビームはマスクとは決して相互作用しない。いずれの検出器も単独ではマスクを再構成できないが、2本のビーム間の時間的な相互相関を使って、「ゴースト」画像を回復できる。今回我々は、光子の代わりに質量のある粒子を使った、ゴーストイメージングの実現について報告する。今回の実験では、2つの衝突するボース・アインシュタイン凝縮体のs波散乱によって生じた超冷準安定ヘリウム原子の相関対から、2本のビームが形成されている。我々は、高次カピッツァ・ディラック散乱を使って多数の相関原子対を生成することで、サブミリメートル分解能の明瞭なゴースト画像の生成を可能にした。今回の手法を今後拡張すれば、ゴースト干渉を実現でき、原子を使ってアインシュタイン・ポドルスキー・ローゼンのエンタングルメントやベル不等式を検証できる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度