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神経科学:アストロサイトを介する神経調節物質の信号が神経回路活動と行動を変化させる

Nature 539, 7629 doi: 10.1038/nature20145

アストロサイトは、脳内全域でシナプス部に並存し、細胞内カルシウム(Ca2+)濃度上昇をもたらす神経伝達物質受容体を発現している。アストロサイトからのCa2+信号が神経回路活動を調節すると提唱されているが、そうした現象を調節する経路はよく分かっておらず、アストロサイトのCa2+レベル変化が神経伝達や行動の変化につながるというin vivoでの証拠は限られている。今回我々は、ショウジョウバエ(Drosophila)のアストロサイトが、神経活動によって調節されるCa2+信号を出すことをin vivoで示す。チロシンデカルボキシラーゼ2(Tdc2)を発現するニューロンから放出されたチラミンとオクトパミンはアストロサイトに直接信号を送って、オクトパミン/チラミン受容体(Oct-TyrR)とTRP(transient receptor potential)チャネルのWater witch(Wtrw)を介してCa2+濃度を上昇させ、それによってアストロサイトは下流のドーパミン作動性ニューロンを調節する。生きた標本にチラミンまたはオクトパミンを投与すると、ドーパミン作動性ニューロンが抑制され、この抑制にはアストロサイトのOct-TyrRとWtrwが必要だった。また、アストロサイトのCa2+信号を上昇させるだけでドーパミン作動性ニューロンの活動が停止し、この反応はアストロサイトのエンドサイトーシス機能とアデノシン受容体を介して起きていた。アストロサイトのOct-TyrRまたはWtrwの発現を選択的に抑制すると、Ca2+信号が阻害され、嗅覚駆動性走化性や接触誘導性驚愕反応が大きく変化した。今回の知見から、Oct-TyrR とWtrwがアストロサイトのCa2+信号発生機構のカギとなる要素であることが分かり、オクトパミンおよびチラミンによる神経調節がアストロサイトを介して起こり得ること、アストロサイトがショウジョウバエの複数の感覚駆動性行動に不可欠であることが示された。

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