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惑星科学:角運動量の大きな高傾斜角の地球によって生じた月の潮汐進化

Nature 539, 7629 doi: 10.1038/nature19846

月の起源を説明する巨大衝突仮説では、地球の赤道付近にあった周地球円盤から月が集積されたと考えられている。しかし、現在の月の軌道傾斜角は5°であり、これを説明するには、月の形成後にまだ解明されていない力学過程が必要である。さらに巨大衝突説は、月の同位体組成が予想外に地球と似ていることから、疑問が呈されている。本論文では、月の潮汐進化中に月の傾斜角を起因とした潮汐散逸が重要な影響を及ぼしたこと、また、過去の月の軌道傾斜角が非常に大きかったに違いないことを示し、理論的な説明に反証する。我々は、自転速度と傾斜角が大きかった初期地球(おそらく巨大衝突の結果である)の赤道軌道内にある月を出発点とした潮汐進化モデルを提案する。我々は、数値モデル化により、月軌道に及ぼす太陽の摂動によって、大きな軌道傾斜角が自然に生じ、地球–月系から角運動量が奪い去られることを示す。今回の潮汐進化モデルは、月の同位体組成を説明するために最近提案された角運動量の大きい巨大衝突説を裏付けており、気候的に好都合な地球の低傾斜角に至る新たな経路が得られる。

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