環境科学:オーストラリア乾燥地帯の初期定住における文化的革新および大型動物相との相互作用
Nature 539, 7628 doi: 10.1038/nature20125
オーストラリアの乾燥地帯に定住した初期の人々の物質文化や環境との相互作用の本質を明らかにすることは、集団の適応性および約5万~4万年前に大型動物相の絶滅を引き起こした可能性のある原因についての理解に不可欠である。人類は5万年前までにはオーストラリア大陸に定着していたが、ヨーロッパやアフリカの人々と比べて文化的革新に一見欠いていることが、広大な乾燥帯での初期定住において障害となったと考えられてきた。今回我々は、内陸南部のワラティ(Warratyi)岩窟住居から得られた証拠を提示し、これまでの報告を1万年さかのぼる約4万9000年前までに、人類がオーストラリアの乾燥地帯に居住していたことを明らかにする。この遺跡には、4万6000年以上前の人工物と共に、巨大な有袋類ディプロトドン(Diprotodon optatum)などのオーストラリアの絶滅大型動物相に関する、年代が確実で層状のものとしては唯一の証拠が保存されている。我々はまた、オーストラリアおよび東南アジアにおける、これまで知られている中で最古の黄土の使用(4万9000~4万6000年前もしくはそれ以前)、石膏顔料の使用(4万~3万3000年前)、骨角器の使用(4万~3万8000年前)、柄の付いた道具の使用(3万8000~3万5000年前)、およびナイフ形石器の使用(3万~2万4000年前)についても報告する。これらはいずれも、既知の他のどの出土品と比べても最大で1万年古い。従って、今回の証拠は、人類がオーストラリア大陸に到達してからわずか数千年の間に内陸の乾燥地帯にも定着していただけでなく、オーストラリアおよび東南アジアにおける以前の記録よりはるか前に、主要な技術を開発していたことを示している。

