Letter
神経科学:行動結果を評価する大脳基底核回路
Nature 539, 7628 doi: 10.1038/nature19845
大脳基底核は、複数の皮質下神経核の集団で、行動を選択しその結果の評価を行うことによって意思決定に重要な役割を果たしている。この基底核回路の機能のうち、選択に関してはすでに多くのことが知られているが、結果評価にどのように関与するかについてはあまり分かっていない。今回我々は、マウスの手綱核に投射する淡蒼球(GPh)のニューロンが、行動の結果評価に不可欠なこと、そしてそれらが基底核からのある特定の入力群によって調節されていることを示す。古典的条件付け課題で、個々のマウスGPhニューロンは、行動結果が期待より良かったか悪かったかを、両方向性に符号化していることが分かった。ニューロンを光遺伝学的に抑制または興奮させてこの評価信号を模擬するだけで、意思決定課題において行動を強化したり、妨げたりすることができた。また、細胞型特異的なシナプスの操作により、GPhへの抑制性または興奮性入力はそれぞれ、マウスが正または負のフィードバックを適切に評価するのに必要であることが分かった。さらに、狂犬病ウイルスを利用した単シナプス追跡で、GPhが基底核回路に組み込まれており、そこで線条体のストリオソーム領域とマトリックス領域の両者から抑制性入力を受け、視床下核の「辺縁」領域から興奮性入力を受けていることも判明した。これらの結果から、行動の選択と評価についての情報は、それぞれ別個の基底核回路セットを通って処理され、GPhは相反する価値情報を統合して、行動結果が期待よりも良いか悪いかを決める際のカギとなる部位であることが明らかになった。

